一般撮影(X線直接撮影装置) Radiography
撮影部位にX線を照射し、その透過像を画像化する一般的な検査です。
当院では、「FPDシステム」を導入しており、新しい画像処理によって、さらに迅速に高精度な画像を提供できます。また、撮影した画像は専用サーバ(PACS)に取り込み、以前のようにフィルムの持ち運びをすること無く、各科診察室で閲覧することが可能です。過去の画像データも保存していますので、比較診断することも容易です。
立位撮影
臥位撮影
骨塩定量検査 Bone Densitometer
骨密度を測定する検査です。わずかなX線を照射し、その透過から計算します。
前腕をスキャンして、全身の骨密度の目安とします。
乳房撮影(X線乳房撮影装置) Mammography
乳房専用の機能・特性を持ち、微細な病変等を描出できる一般撮影装置です。
乳がん検診における重要性が高まり、より高精度の画像が求められています。
X線透視(X線透視撮影装置) Fluorography
X線を出しながら、その透過像をTVモニターに写すもので、造影剤を用いて胃腸などの動きを観察したり、タイミングをみて撮影することができます。
また、内視鏡検査(CF、ERCP等)やチューブの挿入等の検査を進める手段としても不可欠となっています。
CT(X線コンピューター断層撮影装置) Computed Tomography
X線を使用して、「身体の輪切り」画像を撮影する装置です。
当院では高速かつ高精細に撮影できる80列マルチスライスCTを導入しており、冠動脈CTA(心臓の血管)をはじめとした詳細な画像撮影が可能です。
また、放射線被ばく低減技術も搭載しており、使用する放射線の量や強さを従来より低くすることができます。
さらに画像解析ワークステーションを用いることで、より詳細な3次元画像の作成も行っています。
※身体の中の様子をより詳細に観察するため、造影剤というお薬を医師の指示により使用する場合があります。
造影剤に関する事前問診を受診された診療科にて必ず行いますので、その際はご協力をお願いいたします。
MRI(磁気共鳴画像診断装置) Magnetic Resonance Imaging
X線を用いずに磁場と電波のかけ方によって、全身の部位・組織・断面を画像化し、性質の違いを描出できる検査です。装置自体が常に強力な磁力を発生している為、入室の際には体内金属、取り外し可能な入れ歯等を確認させて頂きます。
検査時は狭い空間に30分前後寝て頂きます。検査中は装置から大きな音(電波を切り替える音)が出ますが、音楽を聴きながら検査することもできますので、遠慮なくお申し出ください。
MRIは急性期脳梗塞など、脳疾患の診断に重要な検査です。また、造影剤を用いずに脳血管や腎動脈、下肢の血管、膵・胆管等を描出することも可能です。アルツハイマー型等の認知症の検査や様々な部位の炎症を画像化することも出来ます。
ポータブル撮影(移動型X線撮影装置)
病室まで移動して、バッテリーを電源として用い撮影できる装置です。
【医療用放射線被ばく低減の取組み】
当院では、医療用放射線を用いた診断機器を使用するにあたり、患者さんが受ける被ばく量の低減活動に取り組んでいます。
- 医療用放射線使用に関する院内指針(岩手県立遠野病院における診療用放射線の安全利用のための指針)を策定。医療用放射線安全管理室を設置。
- 医療用放射線を用いた検査を行う前に、放射線被ばくのリスクと検査を受けた場合の患者さんが受ける便益に関する説明の実施(医師)。
- 患者さんが検査時に受ける放射線被ばく量の定期的な測定を実施し、その値を全国的な被ばく量の水準と照らし合わせて画質と被ばく量の最適化を図る。
- 放射線被ばくに関する定期的な職員研修の実施。
『必要最小限の放射線量で最大の効果を得る』ことを念頭に、今後も患者さんが受ける医療用放射線被ばく量低減に努めて行きます。
放射線検査に関してご相談などございましたら、遠慮無く放射線技術科までお申し出ください。